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島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

天皇「春季皇霊祭」出席とりやめから考える…皇室の信仰と歴史

公開日: 更新日:

 宮中祭祀の大祭において、祭祀を司り、通常の神事における神主役をつとめるのは天皇に限られ、ほかの皇族が代わりになることはないからだ。今回の春季皇霊祭では、小祭と同じように掌典長が天皇に代わって祭祀を司った。

 宮中祭祀は皇室の私的な行為と位置づけられているものの、戦前は皇室祭祀令にもとづく国家の公式の行事だった。そこにかかわる掌典職も官職であった。現在の掌典職は、天皇一家が私的に雇う形をとっていて、給与は天皇一家の日常の生活費となる内廷費から支払われる。

 その点で、本来、ニュースとして報道すべき性格のものではないのかもしれない。けれども、皇族や三権の長、各大臣、宮内庁関係者、旧皇族や旧華族などが出席することが慣例になっており、あたかも国家的な行事のごとく扱われている。

 皇霊祭とは、歴代の天皇や皇后、皇族の霊を祀る祭祀であり、同時に八百万の神々を祀る神殿祭も挙行される。天皇や皇族の祖先を祀る行事が、春には春分の日に、秋には秋分の日に営まれるのは、一般の国民も行う「お彼岸」がもとになっているからである。

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