米価は経済学の「神の見えざる手」を無視した価格形成で大丈夫なのか?
1960年代に「三ちゃん農業」、すなわち、爺ちゃん、婆ちゃん、母ちゃんで農業をし、父ちゃんは出稼ぎ。その後は、「二ちゃん農業」といわれ、母ちゃんも出稼ぎへ。コメの収穫量は天候に左右されることもあり、農家の収入は不安定である。
いま米価は高止まりしているが、コメ農家が儲かったという話を聞かない。なのに政府は値下げに動いている。
石破茂首相は5月21日の党首討論で、米5キロ当たりの価格について「3000円台でなければならない。4000円台などということはあってはならない」と述べた。小泉進次郎農相は「2000円」程度の考えを示した。
商品の価格は市場経済下では、需要と供給で決まる。高ければ需要が減り、価格は下落し、需給均衡の適正価格に落ち着く。すなわち、消費者がコメを買わず、パンや麺類で代替すれば、コメが余り、価格は下落する。それが経済学の「神の見えざる手」であるが、米価形成は難解に見える。
農家には、定期昇給やボーナス、残業など各種手当や退職金もない。