警察まで予定…W杯はストライキで大混乱の“現実味”
■「おもてなし」の日本とは正反対
信じられないのは、テロ捜査や入国審査、荷物検査など大会期間中の治安や交通を支えるブラジル連邦警察も、大会直前からストを予定していることだ。同警察は2年前、70日間もの長期ストライキを決行し、空港には長蛇の列ができた。
先月、開催都市のひとつである北東部のサルバドルでは、武装警察が賃上げを求めてストをした。ストの最中、市内で略奪など犯罪が相次ぎ、大統領が軍を投入したが、3日間で50人以上の死者が出た。
「サッカーW杯という国のメンツをかけた一大イベントに警察がストだなんて、“おもてなし”の精神で五輪を開催する日本人には信じられないでしょうが、ブラジルでは通用しません。ラテンの国の気質は、どんな時でも国より自分たちの都合が優先だからです。ブラジルは物価高で、国民の生活が苦しくなっているだけに、ストはかなり現実味があると思います」(旅行ライターの渡辺輝乃氏)
地球の裏側で、日本の常識を求めてはいけないのだ。