「ギャンブル枠」藤浪晋太郎ですら年俸10倍の資金力! 日本球界の人材流出が止まらない

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「最近の新人は怖いもの知らずというか、なんというか……。『いずれは自分も』とメジャー志向を隠そうともしない。それだけ、メジャーが身近になったということなんでしょうけど、夢はあっても1年目で口にするなんてできませんでしたよ」

 とは、40代のプロ野球OB。阪神ドラフト1位外野手の森下翔太(22=中大)が「将来的に自分もメジャーに」と言えば、新人合同自主トレにリーゼント頭で登場したロッテの同1位投手の菊地吏玖(22=専大)も入団会見の席で「プロ野球で他を圧倒して、いずれはメジャーの舞台に立ちたい」と宣言する姿に、若手OBですら「ジェネレーションギャップ」と苦笑いするのだ。

 中大で監督を務めた元巨人投手コーチの高橋善正氏がこう言う。

「私も当時の中大のエース、沢村拓一(2010年の巨人ドラフト1位、レッドソックスから自由契約)を大学から直接、メジャーに行かせようと考えた。我が道を行くタイプの性格、制球より球威で抑えるスタイルは米球界に合っていると思ったし、あの頃はまだ、ドラフト1位クラスの大学生が日本プロ野球を経ずにメジャーに行った前例がなかった。沢村ならそのパイオニアになれると思ったからです。

 沢村に限らず、当時からアマチュア球界には最終目標をメジャー挑戦に定める選手が増えてきてはいましたが、今はそれが当たり前という雰囲気。もちろん、大谷翔平の影響も大きい。それに加えて、やはり条件でしょう」

■7年50億円の近藤ですら、かわいいもの

 昨オフ、FA日本ハムからソフトバンク入りした近藤健介が7年50億円。過去最大規模の大型契約と話題になったが、レッドソックス入りした吉田正尚には5年120億円、メッツに入った千賀滉大には5年105億円とケタ違いの札束が積まれた。

「ある意味で吉田、千賀以上に驚いたのは、阪神の藤浪晋太郎です。昨季3勝5敗、防御率3.38で年俸が4900万円。それが、アスレチックスにメジャー契約で入り、年俸は4億3900万円と阪神時代の約10倍ですからね。藤浪のポテンシャルの高さは誰もが認めるところですが、制球難という問題を抱え、メジャーでは『ローリスク、ハイリターンの選手』とされた。つまり、『ギャンブル枠』での獲得ですが、メジャーはその『ギャンブル』にも5億円近いお金を突っ込む。

 吉田らの大型契約以上にメジャーの資金力を見せつけられた感じがします。失礼ながら、“あの藤浪でも年俸10倍で需要があるならば”と背中を押された日本の選手は多いと思う。藤浪のアスレチックス入りは、日本選手のメジャー流出をさらに加速させる契機のひとつになるのではないか」(高橋善正氏)

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