「伊賀の人・松尾芭蕉」北村純一著

公開日: 更新日:

 俳聖と称えられた松尾芭蕉の生涯と、その素顔に迫る評伝。

 芭蕉は、藤堂高虎を初代藩主とする藤堂藩の下級武士の家に生まれた。若いときからその学才は城下に鳴り渡り、藤堂新七郎家の若様の小姓に抜擢される。若様は無類の俳諧好きで京都を代表する俳諧宗匠の北村季吟に師事。芭蕉も学友としてその薫陶を受けた。

 しかし、若様が25歳で早逝。芭蕉は二君に仕えることを潔しとせず、主家を去り、京の季吟のもとで修練を積む。一方で、漢学などの武士の素養にも励んだという。そして俳諧師として生きる道を求め、まだ新人活躍の場が残っていた江戸を目指す。

 生涯の大半を旅に費やした芭蕉の句を紹介しながら、その旅の軌跡と人生をたどる。

(文藝春秋 935円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  2. 2

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 3

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  1. 6

    大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない

  2. 7

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  3. 8

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!