年中鼻詰まりは要注意 蓄膿・不妊・気管支炎の意外な関係

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 動かない線毛は、脳ではセロトニンなどの神経伝達物質のレセプターとして、内耳では平衡感覚を保つため、嗅細胞ではニオイの受容体としての役割を担っている。つまり、線毛の機能異常は、たとえば女性は生理不順や子宮外妊娠、男性は男性不妊、ほかにうつ病やめまいなどのリスクを上げる可能性がある。また、細胞周期にも関係するため、がんにも関係する。しかも、鼻や気道の線毛運動に問題がある人は、他の線毛の動きも悪くなる傾向にあるから厄介だ。

 では、どんな人が線毛症になるのか? ひとつは染色体異常などにより生まれながら線毛機能に異常がある原発性線毛運動不全症(PCD)のケースだ。

「完全な不動線毛や微弱な線毛運動、協調性のない線毛運動などさまざまな症状が起きます。共通するのは、幼少期から慢性の気道感染症に悩まされていることです」

 PCDの患者の約半分は、左にあるべき心臓が右になったり、臓器の配列が乱れたりする。内臓逆位だ。胎児の初期段階でノード線毛が正しく動かず、タンパク質をコードする遺伝子を狂わせて臓器の発生の順番などが乱れることで起きる。

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