寿命に直結しかねない病気ゆえ リウマチ治療最前線を知る

公開日: 更新日:

 田中教授の診療科の患者3000人が登録し、生物学的製剤を導入可能かどうか入念にスクリーニングを行った後、生物学的製剤の治療を開始。1年後に再検査を行ったところ、約3分の2で症状が軽減したが、残りは中程度の症状が残った。JAK阻害剤は、メトトレキサートや生物学的製剤で効果が不十分だった患者でも関節破壊を抑制するという研究結果が出ていることから、今後に期待を寄せている。

「生物学的製剤は点滴か注射でしか使えませんが、JAK阻害剤は内服が可能。生物学的製剤を含むリウマチ治療を行っている914人を対象にした調査で、75.8%は内服薬を好むとの結果が出ています」

 JAK阻害剤は2013年承認の「トファシチニブ(商品名ゼルヤンツ)」と、17年承認の「バリシチニブ(同オルミエント)」がある。実は、トファシチニブは効果の高さは確認されていたものの、悪性腫瘍の発症を高めるのではないかとの懸念から、積極的に処方されてこなかった。

 しかし、安全性を確認する調査を、投与中止症例も含む使用者全例(3929例)を対象に3年間の追跡調査を実施。中間解析では、悪性腫瘍の発症率に関して、高くならないことが判明した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々