著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「サバ缶」とアンチエイジングに科学的な根拠はあるのか

公開日: 更新日:

 細胞膜の酸化は全身で起こります。「最近、体の動きが鈍くなった」と感じたときには、神経細胞だけでなく、筋肉や内臓の細胞でも酸化による劣化が始まっているかもしれません。

 ところで去年、全国でサバ缶がバカ売れするという社会現象が起きました。サバに豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が血中コレステロールや中性脂肪を減らし、血栓を予防してくれるというのです。

 それらをまとめて「オメガ3脂肪酸」と呼びます。実際にカプセルになって高脂血症の治療薬として使われています。もちろん健康保険適用になっています。注意書きには「(胃潰瘍などで)出血の危険性の高い患者への使用は慎重に」と書かれているほどです。

 しかし、それだけでなくオメガ3脂肪酸の摂取は、細胞の老化防止にも役立つといわれています。

 なぜなら、細胞膜の主材料のひとつだからです。しかも、オメガ3脂肪酸は一度酸化されてしまうと、もう元には戻りません。外から補給して交換するしかないのです。また、特に脳や神経の細胞膜には、オメガ3脂肪酸が多く使われています。サバ缶を食べると脳細胞が若返って記憶力がよくなるとか、認知症が改善されるとかいわれているのはそのためです。とはいえ、実際にサバ缶を食べたらこうした成果が得られたと科学的に確かめられたわけではありません。あくまでも仮説ないしウワサの域にとどまっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも