著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

夕方になると「帰ります」と家を出てどこかに消えてしまう

公開日: 更新日:

 どうも夕方になると女学生時代に戻るらしい。家のそばにある川が、昔住んでいた実家と学校の間にある川に似ていて、日が落ち始めると「早く帰らなくちゃ」と焦るようである。ただ、夕方になるとご主人が斎子さんの手をつないで散歩するようになってから、「徘徊」はなくなったという。

 いずれにしても理由があるのに、戻れなくなっただけで「徘徊」と呼ぶのは、認知症になったら人格が壊れるような偏見が刷り込まれているからだろう。ただし、アルツハイマー型は「ここにいたくない」から外に出るケースは多いが、前頭側頭葉型はただひたすらぐるぐる歩くケースが多いといわれる。

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