著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

客観視が伸びしろになる 能力が低い人ほど自分を過大評価

公開日: 更新日:

「この仕事やっておいて」「だからダメなんだよ」など、上から目線でコミュニケーションを取る人がいます。そんな一言を受けた側はイライラが募るかもしれませんが、いちいち敏感になる必要はありません。

 面白いことに、「能力が低い人ほど自分を過大評価する」という米コーネル大学の実験結果(1999年)があります。ダメな人が、自分をダメだと認識できないと科学は証明しているのです。

 実験では、ユーモア、文法、論理のテストを行いました。

 たとえば、ユーモアでは、被験者である65人の大学生に30個のジョークを読ませ、どれくらい面白かったか評価してもらうという具合です。点数の付け方で、自分のユーモアセンスの高さをはからせた格好です。

 その上で、「あなたのユーモアの理解度は同年代の中でどのくらいに位置していると思いますか」と尋ね、回答してもらったところ、ユーモア理解度の順位の低い人ほど、「自分はユーモアセンスがある」と自己評価の高い傾向がありました。

 成績下位25%以内の人は、総じて「上位40%程度にいる」と自分を過大評価し、逆に成績上位25%以内の人は、平均して「上位30%程度にいる」と過小評価したといいます。皮肉にも、謙虚な気持ちがない人ほど能力も……ということを示唆してしまったのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁