著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【検診の基準値】と「臨床判断値」は必ずしも一致しない 「要注意」は危険な状態?

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 健診の基準値を見て「?」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。たとえばLDLコレステロールは、120~179(㎎/デシリットル)なら「要注意」です。高めだが「異常」ではないので、まだ大丈夫という気がします。中性脂肪はもっと極端で、要注意の範囲が150~499となっています。いくらなんでも高すぎるような気もします。

 実際、病院で測ってLDLが150くらいあったら、医者は直ちに治療を始めようと言うはずです。まして中性脂肪が400を超えていたら、「なぜここまで放っておいた」と叱られてしまうに違いありません。そんなに高くても許される(?)のは、健診だからです。

 じつは健診の数値と、医者が治療を開始する数値は異なることが多いのです。健診で使われている基準値は、以前説明したとおり、健康と判断される人を大勢集めて検査を行い、上下各2.5%を除いた範囲と定義されています。一方、診療で使われる数値は「臨床判断値」といって、疫学研究や臨床研究から経験的に割り出された「これを超えると病気のリスクが高まる」という境界の数字なのです。

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