著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【ギョウチュウ】多くで検査廃止も九州や沖縄はいまも保有率が高い

公開日: 更新日:

 ギョウチュウは人間の大腸や直腸に寄生することが知られています。夜間になると肛門の外に出て、肛門の周りに約100万個の卵を産みます。産みつけられた卵は6時間程度で感染力を持つようになり、人から人へ感染していくのです。

 かいた手であちこち触れることにより、虫卵が散らばります。卵は下着や布団、床などにも散らばるため、家族内や集団の場で感染しやすくなります。ギョウチュウは布団などに付着してからも2~3週間は生きているのです。

 ギョウチュウによって「蟯虫症」と呼ばれる病気が引き起こされると、肛門周囲にかゆみが出現し、夜間の寝不足につながるケースもあります。

 治療には、メベンダゾールやパモ酸ピランテル、アルベンダゾールといった駆虫薬が使用されます。パモ酸ピランテルの場合、1回の内服のみでギョウチュウを駆除することが可能です。しかし、虫卵は1回の服用だけでは駆除できないため、2週間程度間隔を空けて2度目の治療を行います。

 先ほど触れたように同居している人にも感染するので、虫卵が見つかったら家族全員で駆虫する必要があります。下着の着替えや洗濯、部屋の掃除もこまめに行い、手指をよく洗い、爪を短く切っておくことも大切です。ギョウチュウの卵は日光に対して弱いことも知られています。寝室に日の光を入れたり、寝具を洗った後にしっかり干したりすることも感染拡大予防につながります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった