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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

慢性腎臓病の50歳男性「墓参りで死んだ両親に会ってきた。早くそっちに行きたい」

公開日: 更新日:

 まだ体が動くうちにと郷里の墓参りも済ませ、心の整理ができたせいか、心なしか穏やかなご様子。とにかく食べることが大好きな方で、コーラやポテトチップス、たこ焼きといった、病院では絶対に食べることのかなわない高カロリーで高糖質の食べ物も、食べたい時に好きなだけ食べ、喫煙もされていました。そのため肥満気味で体重が90キロ前後と大柄でしたが、日常生活動作(ADL)は落ちておらず、日常生活を送るのに支障はありませんでした。

 ただ、糖尿病と慢性腎臓病で内臓全体に負荷がかかっている状態に変わりはなく、血管が狭くなったり詰まったりして、足に流れる血液が不足。下肢閉塞性動脈硬化症を起こしており、傷やタコの治りが悪く、当院では内科的な診療に加え、爪切りや、皮膚潰瘍に対する薬の処方など、フットケアが欠かせませんでした。

 足に血豆ができた時のこと。

「ちょっと診せてください。前回も同じ場所にできて、再発した感じですね。処置しますね」(私)

 まずは滅菌蒸留水で洗浄してから、褥瘡(床ずれ)や皮膚潰瘍などの治療に用いられる薬(フィブラストスプレー)を塗布。そして患部の雑菌を殺し、傷の治りを早くする軟膏(イソジンシュガー)を塗り、ガーゼとパッドで保護します。

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