著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

嫌な記憶を「新しい記憶」で塗り替えよう…行動が重要になる

公開日: 更新日:

 さらに厄介なのは、いったん記憶したものを思い出すと、その記憶のみが不安定化し、再固定化されることです。ヘビが嫌いな人が、遭遇してもいないのに、「ヘビと遭遇したと想像する」だけで、もう一度記憶され直すように、嫌な記憶というのは、実際にそれが起こる、起こらないにかかわらず再固定化されてしまうのです。非宣言的記憶は、反復によって強化されてしまうというわけです。ですから、嫌な記憶に関しては、極力イメージしないようにすることです。

 また、新しい記憶を習得することで、既存の非宣言的記憶を上書きすることもできます。新しい記憶を新しい行動と言い換えてもいいでしょう。

 アメリカのノートルダム大学のラドバンスキーらは、「部屋を移動すると記憶を忘れやすくなる」という研究(2011年)を発表しています。この実験は、おもちゃのブロックを使用し、テーブルから他のテーブルにブロックを運ぶといったシンプルなものでした。

 このとき、ブロックを運ぶ際に、扉を開けて部屋から部屋へ移動する──というワンクッションを設けると、直前にどんなブロックを運んでいたか忘れやすくなるという結果が明らかになったといいます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」