著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

嫌な記憶を「新しい記憶」で塗り替えよう…行動が重要になる

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 さらに厄介なのは、いったん記憶したものを思い出すと、その記憶のみが不安定化し、再固定化されることです。ヘビが嫌いな人が、遭遇してもいないのに、「ヘビと遭遇したと想像する」だけで、もう一度記憶され直すように、嫌な記憶というのは、実際にそれが起こる、起こらないにかかわらず再固定化されてしまうのです。非宣言的記憶は、反復によって強化されてしまうというわけです。ですから、嫌な記憶に関しては、極力イメージしないようにすることです。

 また、新しい記憶を習得することで、既存の非宣言的記憶を上書きすることもできます。新しい記憶を新しい行動と言い換えてもいいでしょう。

 アメリカのノートルダム大学のラドバンスキーらは、「部屋を移動すると記憶を忘れやすくなる」という研究(2011年)を発表しています。この実験は、おもちゃのブロックを使用し、テーブルから他のテーブルにブロックを運ぶといったシンプルなものでした。

 このとき、ブロックを運ぶ際に、扉を開けて部屋から部屋へ移動する──というワンクッションを設けると、直前にどんなブロックを運んでいたか忘れやすくなるという結果が明らかになったといいます。

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