足を切断した後に起こる「幻肢」に対する治療はあるのか?

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 足の切断を控える患者さんの中には、「義足はどういった構造をしているのか」「自分でも歩けるのか」など、切断後の生活に不安を抱えているケースが少なくありません。そういった方に対しては、下腿切断される方であれば下腿義足を履けるかどうかの指標となる膝立ちをしてもらい、それができれば術後1カ月で杖をつきながらの歩行が可能とお伝えしています。切断後の生活についてイメージできるよう、具体的にお話しすると、切断自体への受け入れもスムーズに進む場合もあります。

 とりわけ切断後に起こりやすいのが、「幻肢・幻肢痛」です。これは失ったはずの足が存在しているかのように感じて、その幻の足が痛むのが特徴で、切断者の約70%に発症するといわれています。電気が走るようなズキズキとした痛みや、ロープで引っ張られるような痛み、ねじられるような痛みが数秒から数分、数時間にわたって生じます。通常、幻肢痛は数年かけて治まりますが、患者さんの日常生活に支障を来す厄介な症状です。

 これまで幻肢痛に対して、「ミラーセラピー」と呼ばれる、体の正中線上に鏡を置き、健常な足だけを動かしてあたかも幻肢が動いているかのように錯覚させる治療法などが用いられています。また切断によるボディーイメージの混乱で幻肢を生じることもあり、切断後に弾性包帯で切断端を巻く「ソフトドレッシング」で断端の形を整えてから、シリコーンライナーという断端を覆うパーツを着けて義足を作り、早くから義足を装着して歩くことで、義足をご自身の体の一部として受け入れて、幻肢を感じにくくさせます。

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