著者のコラム一覧
水上健国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長

国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長。便秘や過敏性腸症候群治療の第一人者。自身が開発した無麻酔大腸内視鏡挿入法「浸水法」を活用し「ねじれ腸」「落下腸」という腸管の異常形態を発見した。著書に「快腸大全 便秘外来医が3万人を診てわかった腸の新常識」など。

(1)対策を講じているのに改善しない場合は腸の形に問題あり

公開日: 更新日:

 便秘の悩みを抱えているみなさんの中には、「便秘対策をいろいろ試しているけど、一向に改善しない」という方もいるのではないでしょうか? そういった便秘の場合、もしかしたら「腸の形」に問題があるのかもしれません。そういった腸を、私は「ねじれ腸」「落下腸」と呼んでいます。 

 よく知られている便秘の原因には、主に次のようなものがあります。

①便を作るために必要な成分(食物繊維や水分など)が不足している

糖尿病などの病気で自律神経が乱れている

③精神的・肉体的ストレスで大腸がけいれんして便が出ない(けいれん性便秘)

④便秘薬の不適切な長期間使用で腸が疲弊して動かない(弛緩性便秘)

⑤便意の我慢を繰り返したことで便意を感じにくくなっている(直腸性便秘)

⑥服用している薬の副作用

 しかし、これらが該当しない便秘があるんです。私は内視鏡医師として3万人を超える方の腸を見てきたのですが、経験を通して分かったのは、腸の形や性質が人それぞれであること。ある時、母校の慶応義塾大学の教授と准教授にお願いして30人のご献体を解剖して腸の形を検討させていただいたことがあります。その時、教科書に載っているような腸の形の人は20%ほどで、ねじれ具合が多様であることに驚愕しました。

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