「グリア細胞」の機能低下や異常が引き起こす神経変性疾患
アストロサイトは視神経の出入り口である視神経乳頭部に多く存在するが、緑内障では構造を変えたり、炎症性物質を出したりして、視神経の通り道を狭めてしまう。また、網膜内に分布するミュラー細胞(グリア細胞の一種)は神経細胞の環境を整える働きがあるが、緑内障になるとこの細胞が活性化。炎症物質や過剰な神経伝達物質を放出し、その毒性により視覚情報を脳に送る網膜神経節細胞が死んでしまう。
結果的にグリア細胞の異常な働きにより、眼圧が正常なのに視神経が傷つく「正常眼圧緑内障」が生じるというわけだ。
「精神・神経疾患において長らく神経細胞の問題とされてきましたが、いまはグリア細胞の機能障害との関連を示す論文が多く発表されています」 (つづく)