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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

光免疫療法は頭頚部がんで6割に効果あり…ほかの部位への可能性は?

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 抗体は正常細胞にはほとんど結合しないため、選択性が高いのがメリットですが、この光が届くのは数センチほど。体の深いところにある腫瘍には届きません。それがデメリット。現状、浅いところにある頭頚部がんに限られているのは、そんな事情もあります。

 さらに、抗体が結合する標的となる抗原がない腫瘍には、光感受性物質を組み込んでも、抗体が結合できないため、効果が期待できません。がん細胞のあり方に左右されることから、現時点ではあらゆるがんに万能とはいえません。

 照射部位から離れた部位の腫瘍が縮小することをアブスコパル効果といい、放射線と免疫チェックポイント阻害剤を併用すると、その効果が表れやすいことが分かっています。

 光免疫療法でも、その効果が動物実験で確認されたことから、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせてヒトでの臨床試験が進んでいるそうですが、動物実験で認められたことがヒトで否定されることは珍しくありません。この点についても、結果を慎重に見守る必要があると思います。

 光免疫療法を保険で受けられる医療機関は、日本頭頚部外科学会の認定施設に限られます。しかし、認定を受けていない施設が自由診療で頭頚部がん以外にも行っていることが問題になり、学会が注意喚起に努めているのも事実。こうした現状からも、光免疫療法に過度な期待を抱くのではなく、慎重さが必要だと思います。

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