(3)過干渉や過保護、依存…女性は母親との関係が原因に
Aさんの場合も母子密着型、共依存関係でした。母親は教育熱心で娘の将来を考え、いい学校に入ることを望んでいたそうです。まじめできちょうめんなAさんは、そんな母親の喜ぶ顔見たさに勉学に励み、私立の名門校に入学しました。
「皆が優秀な環境下で成績を維持することへのプレッシャーがあり、そのストレスが引き金になったと思います」(Aさん)
母親も娘の病気でうつ状態になり、小野所長に助けを求めたといいます。小野所長は医療機関と連携し、薬物療法をベースに2人に個人カウンセリングと集団カウンセリング(集団家族療法)の併用を行いました。集団カウンセリングは摂食障害をはじめ、ひきこもりやうつなど、さまざまな心のトラブルを抱えた老若男女が一堂に会してディスカッションするという形をとり、集団の中で自分自身の問題点と解決策を探っていくという小野所長独自の療法です。
「当初、なぜ、自分のカウンセリングが必要なのか疑問でした。でも、小野先生の療法で娘の本当の気持ちに気づき、自分が娘に価値観を押し付け、娘を肯定してほめることをしてこなかったことに気づいたのです」(母親)