「甘い飲み物」が心臓の健康にとって大敵なのはどうしてか
トランス脂肪酸は過剰摂取するとLDL(悪玉)コレステロールを増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らします。そうなると動脈硬化が促進され、心筋梗塞や狭心症のリスクがアップしてしまいます。
ほかにも、米国のタフツ大学の研究では、糖質が加えられた高カロリーの甘い飲み物の飲みすぎによって、世界で毎年220万人が2型糖尿病を発症し、120万人が心血管疾患を新たに発症していると推計されています。
研究者は「糖質の多い飲料は血糖値を急上昇させ、長期間にわたって定期的に摂取していると、体重の増加、内臓脂肪の増加、肝臓や骨格筋のインスリン抵抗性などにより、2型糖尿病や心臓病に関連する多くの代謝障害を引き起こす」として、「過剰な脂肪蓄積と代謝障害は炎症性サイトカインを活性化させ、高血圧、脂質異常症、糖尿病のリスクを高める。これらは動脈硬化やプラークの不安定化を促進し、虚血性心血管イベントの一因となる」と説明しています。
やはり、甘い飲み物の飲みすぎは心臓の健康にとっては大敵といえるでしょう。砂糖=甘い物が貴重だという感覚は、日本では戦後40~50年くらいまで残っていたような記憶があります。それが、肥満は健康によくないからダイエットのためにも甘い物を取りすぎないようにしましょう、といった啓蒙が広がり、糖質を抑えたダイエット飲料やブラックコーヒー、セミスイートチョコレートなどが登場し、転換点を迎えた印象です。