著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(3)生活習慣病に対応したものは? 胃痛や胸やけの薬も登場

公開日: 更新日:

 中性脂肪を下げる薬剤である「イコサペント酸エチル」は、2012年にスイッチ化され、1社が製造販売しています。処方薬のほうはイコサペント酸エチルを900ミリグラムを含んだものが主流ですが、スイッチOTC薬のほうは600ミリグラムのものに限られています。価格は42包入り(2週間分)で、6000円前後です。

 このように、生活習慣病のスイッチOTC薬はほとんどないのですが、今年に入ってから、胃痛や胸やけなどの治療薬が2種類、スイッチ化されました。「パリエットS」(エーザイ)と「タケプロンs」(アリナミン製薬)です。ちなみに名前の最後の「s」は、スイッチのsだろうと推測されます。

 主成分は、パリエットSがラベプラゾール、タケプロンsがランソプラゾールです。どちらも「プロトンポンプ阻害薬」と呼ばれるものです。胃酸の分泌を強力に抑える働きがあり、胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎などの処方薬として、トップクラスの人気を博しています。もちろん、それらの病気に伴う胃痛や胸やけにも有効です。

 胃痛や胸やけは厚生労働省の定義では生活習慣病には含まれませんが、ビジネスパーソンにはよくある健康上の悩みのひとつです。病院にかかる時間のない人は、薬剤師のいるドラッグストアなどで相談してみるといいでしょう。 =つづく

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