(1)健康診断の検査値を見直しなさい…ALT20~30は「脂肪肝疑い」
おなじみの検査値が「ALT(GPT)」がキーとなります。ALTは肝細胞内に含まれる酵素で、脂肪肝などの肝障害があると血液中にあふれ出ます。ALTの基準値は10~30IU/lとされていて、日本肝臓学会は2023年「ALTが30を超えたら、かかりつけ医を受診してほしい」という提案を盛り込んだ宣言(奈良宣言)を発表しています。
■10年後には糖尿病を招く
お手元の健康診断の結果表を見直してみてください。ALTがすでに「30超え」になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もっとも私は、学会よりも基準ラインを低く設定していて、ALT5~15IU/lを「理想値」とし、ALTが20~30の場合は、「隠れ脂肪肝の疑い」としています。つまり、ALTが学会基準値の30以下であったとしても、20以上であれば決して安心できるような状態ではないということ。ALTが20を超えていたら、すでに「隠れ脂肪肝」であり、もう脂肪肝に片足を突っ込んでいると思っておくほうがいいでしょう。
「隠れ脂肪肝」を見逃したり放っておいたりしてはいけません。30代になると、筋肉量が少しずつ減り始め、新陳代謝が落ち始めて、糖質などが筋肉で消費されづらくなります。すると、過剰摂取であふれた糖が脂肪に変換されて、肝臓に沈着、脂肪肝が発生します。


















