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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

堀ちえみさんは経過観察に…肺移転では影が増大したらVATSで診断的治療を

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 今回、堀さんは大きさの変化がなく、経過観察を続けることになり、ご主人は主治医に「白黒ハッキリさせられませんか?」と質問して、組織検査の希望を伝えたようですが、「舌がんの際の画像検査にも、よく目を凝らして見るとこの謎の物体が写っていることが判明」したそうで、前述した通り大きさに変化がないことが経過観察継続の根拠となっています。

 一般に原発が肺以外の臓器で、治療後のフォロー中に肺に複数の影が見つかると、転移を疑います。形としては、円形で周りとの境界が明瞭なものは転移の可能性がありますが、原発の肺腺がんも円形のことが多く、形だけでは決定的ではありません。扁平上皮がんはギザギザで、境界は明瞭でないのが特徴です。

 転移が疑われて行ったPET検査も陽性なら、診断的な治療ができるVATSと呼ばれる胸腔鏡下手術に進みます。数センチほどの小さな穴からカメラや手術器具を挿入し、病変を採取したら、すぐに迅速病理診断で組織の悪性度をチェック。陽性で、それが転移なら手術は終了。原発なら、肺葉手術を行います。肺は、葉という単位で区切り、右は上葉、中葉、下葉、左は上葉、下葉に分け、葉単位で切除するのが原発肺がんの手術の基本なのです。

 従来の開胸手術は肋骨や筋肉を切開するため肉体的負担が大きく、回復に時間を要しましたが、VATSは翌日から食事ができ、1週間ほどで退院できます。

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