著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

抗がん剤治療では「骨髄抑制」の副作用が起こる可能性がある

公開日: 更新日:

 赤血球が減少すると貧血になり、血小板が減少すると出血したときに血が止まりにくくなります。白血球が減少すると普段はかからないような感染症になったり、感染症になったときに治りにくくなります。がん化学療法を行う前には必ず血液検査を行いますが、それは骨髄抑制が起こっていないかを確認することも目的としています。万が一、骨髄抑制が起こった状態でがん化学療法をしてしまうと、白血球が極端に少なくなって、最悪の場合、命の危険もあるからです。

 骨髄抑制が起こったとき、赤血球や血小板が減少すると、症状で「なんとなくおかしい」と自覚できますが、白血球の場合はそうはいきません。感染しない限りは白血球が減少しても自覚症状がないのです。そのため、殺細胞作用を有する抗がん剤を使用するがん化学療法を行う際には、白血球が減少したとしても感染のリスクを最小限にするためにうがいや手洗いといった感染予防について必ず指導しています。一応、骨髄抑制で減少した白血球を増やすクスリもありますが、その白血球は機能的に未熟なため、やはり感染予防は極めて重要になります。

 白血病の治療では、骨髄抑制をあえて起こすことで、がん化した白血球を死滅させます。この場合、クスリで白血球をほぼゼロにしなければならないため、無菌室で治療が行われます。

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