肺がんの「ROS1融合遺伝子」陽性に新薬登場…着目すべき3つの強みとは? 専門医が解説
冒頭の新薬は、遺伝子検査で「ROS1融合遺伝子」が確認された場合に検討される。
「ROS1という遺伝子と、パートナー遺伝子が結び付き、ROS1融合遺伝子になります。ROS1遺伝子には細胞の増殖や生存に関わるスイッチを入れる役割がありますが、ROS1“融合”遺伝子になると、細胞の増殖スイッチが常に入った状態になり、がん細胞が増殖し続けます。新薬は、ROS1融合遺伝子を持つタンパク質の活性を阻害し、がん細胞の増殖を抑えます」
新薬のようにROS1融合遺伝子の働きを抑える薬を、ROS1阻害薬と呼ぶ。ROS1阻害薬はすでに3種類承認されており、今回の薬を含めて、4種類が出揃ったことになる。
■速やかな遺伝子検査が必須
新薬の着目点は主に3つある。
「1つ目は、『無増悪生存期間』が従来の3種類の薬と比べて長いことです。臨床試験では、がんが進行せず安定した状態である無増悪生存期間の中央値が、これまでの薬では1年数カ月、長くて約3年だったのが、新薬は4年近くという結果でした」


















