(19)しっかりしている部分とそうでない部分が混在し…

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「そうよ、トイレだって自由に行ってる」

 誇らしげに語るが、ベッド脇にはいまだセンサー式のマットが置かれている。ピンときて「じゃあ、コレは?」とマットを指さし尋ねると、

「あ、それ踏まないで。変な音が鳴って嫌なのよ」

 相変わらず注意を聞かずに歩き回っていることがバレバレだった。わかっていて規則に反抗しているならまだしも、指示されたことが脳内で勝手に書き換えられているようで、これは認知症の症状なのかもしれない。念のためナースステーションで事の真偽を確認すると、やっぱりおかんの話は間違っていた。

 さらに別の日の面会では、部屋に行くとカーテンを全て閉め切り、ベッドサイドにボーッと座っている姿を目撃した。声を掛けてもあまり表情が変わらず、無気力な状態。リハビリのことを聞いても、要領を得ない答えしか返ってこない。

 これでは体力が回復しても自宅に戻していいのか悩ましい。今後どのようにすべきなのか不安になってしまい担当看護師に相談すると、

「そろそろ今後の方針を決めるための会議を開きますので、その結果をもって再び面談することでいかがでしょう」

 快諾し、数日後の予約を取ったのであった。

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