動悸は夏の疲れ? 見逃してはいけない「心房細動」の兆候
もうひとつ警戒したいのが脳梗塞です。心房が細かく震えて十分に収縮しなくなると、心房の中で血液がよどみ、血栓ができやすくなります。血栓が血流に乗って脳へ運ばれ、脳の血管を詰まらせると脳梗塞を起こします。このタイプの脳梗塞は「心原性脳塞栓症」と呼ばれ、比較的大きな血管が詰まって重症化することがあります。心原性脳塞栓症は脳梗塞の2~3割を占めます。命にかかわることもあり、助かっても重い後遺症が残り、介護が必要になるケースもあります。
とくに注意したいのは、シニア世代で高血圧、糖尿病、心不全、脳梗塞などの既往がある人です。
脳梗塞の危険性が高いと判断された場合には、「抗凝固薬」という血液を固まりにくくする薬で血栓を予防します。
心房細動を発症した場合は、薬で心拍数を適切に保つ治療や、正常なリズムを維持する治療があります。さらに、カテーテル(細い管)を鼠径部(またの付け根)などから心臓まで入れ、不整脈を起こす異常な電気信号を遮断する「カテーテルアブレーション」も保険診療で行われるようになりました。胸を開く手術とは異なり、体への負担が比較的少ない治療法です。最近の医療機器の進歩により、より容易に、安全に行えるようになりました。比較的早めの治療が予後をよくするというデータもあります。


















