糖尿病と「映像酔い」の意外な関係…画面を見たり思い出すだけで揺れる
見逃せないのが糖尿病だ。糖尿病性末梢神経障害があると、足などからの深部感覚が低下することがある。また、糖尿病患者では前庭機能の異常がみられる可能性も指摘されている。
2026年には、糖尿病患者を対象とした研究で、末梢神経障害が強い人ほど、内耳にある「体の傾きや動きを感じるセンサー」の機能異常が多く、こうした機能が低下した人では、歩いたり動いたりするときのバランス能力も低いことが報告された。そこに、加齢による平衡機能の変化や、動きの激しい映像を長時間見ることなどが重なると、視覚と身体感覚の「ズレ」を強く感じることも考えられる。
一方、スマホの長時間使用そのものが映像酔いを起こすと断定することはできない。近距離で画面を見続ければ眼精疲労が生じることがあり、スクロールやカメラ移動、ゲームなど動きの激しい映像では、視野内の情報が連続して変化する。こうした刺激が、映像に敏感になっている人の不快感を誘発・増幅する可能性はある。
また、「床が揺れる」感覚が繰り返される場合には、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)なども鑑別の対象になる。ただし、今回の男性がPPPDだと判断するには、症状の持続期間や誘発条件などを含めた医学的な評価が必要だ。横浜市立大学医学部客員教授で、「自由が丘清澤眼科」(東京・目黒)の清澤源弘院長が言う。


















