田尾監督には感謝しかない 電撃解任の際は一緒に辞めるつもりだったけど…
俺だけ残っても……と一緒に辞めるつもりもあったが、田尾さんからの「武司は残ってチームを強くしてくれ」という言葉が思いとどまらせた。
ちなみに、田尾さんとは今でも交流がある。現役時代は「タケシ」と呼ばれていたが、今は「タケちゃん」。毎年、お中元やお歳暮も送っている。
シーズン終了後の10月、田尾さんの後任として名前が挙がったのが、あの野村克也監督だった。名前を聞いた瞬間、愕然とした。
「最悪だ……」
この時、野村監督はすでに70歳。プロで27年間にわたり活躍した名選手だっただけでなく、監督としてヤクルトを3度の日本一に導いた球界の名将だ。しかも、指導スタイルはデータを重視した「ID野球」。俺なんて、真っ先に嫌われるタイプじゃないか……。
最後の最後でまた試練を与えてくれるな、と神様を恨んだ。
「まあいいや。どうせ合わないだろうから、最後の1年楽しんで辞めよう」
同時に、半分諦めの境地に達していた。


















