「南太平洋の剛腕投手」近藤節夫著

公開日: 更新日:

 戦後の一時期、プロ野球界で技巧派投手として活躍した日系ミクロネシア人の波乱の生涯をたどる人物ノンフィクション。

 その人ススム・アイザワは、トラック諸島で実業家として活躍していた日本人を父に、水曜島の大酋長の娘を母にして1930年に誕生。戦中、単身来日して、日本で旧制中学を卒業すると倉庫会社で働くかたわら、クラブチームで野球に打ち込み、毎日オリオンズへの入団を果たす。7年間で93試合に登板したススムだが、移籍先の球団解散で解雇となり、16年ぶりに戻った故郷で祖父から酋長の座を継承。

 実業家としても大成したそのエネルギッシュで不屈の人生の軌跡を描く。

(現代書館 1600円)

【連載】土曜あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも