吉田友和(旅行作家)

公開日: 更新日:

4月×日 体重の増加に歯止めがかからない。理由は自分でもわかっている。食べ過ぎである。近頃は美味しいものに出合うために旅をしていたりもする。しかも、年甲斐もなく店では大盛を頼むのが基本スタイル。

 そんな日々を送っているからか、フォーリンデブはっしー著「厳選70軒 最強のデブリシャス」(ワニブックス 1400円+税)は書店で見かけて即座にレジへ持っていったほど心に響くものがあった。都内近郊の名店を「デブ」の視点から紹介した1冊だ。パラパラめくるだけでお腹が減ってくる。さっそく紹介されている店へ足を運んだりしていて、しばらくは体重が減る見込みはなさそうである。

4月×日 子どもを寝かしつけるときに絵本を読むのが日課なのだが、最近お気に入りなのが、つちだのぶこ著「ぼくんちカレーライス」(佼成出版社 1300円+税)。絵本とはいえ、これまた食欲をかき立てられる1冊で、「飯テロ本」としての破壊力はすさまじい。子どもも大人もみんなきっとカレーライスを食べたくなるはずだ。

4月×日 塩谷歩波著「銭湯図解」(中央公論新社 1500円+税)は銭湯本の決定版。こちらは読んだらお風呂に入りたくなること請け合い。丁寧に描き込まれたイラストの緻密さに目を奪われる。昔好きだった妹尾河童さんの名著「河童が覗いた」シリーズを彷彿させられた。

4月×日 いま九州北部の旅行ガイドブックを制作している。その取材のために少し前まで一家で福岡にプチ移住していたこともあり手に取ったのが、高島宗一郎著「福岡市を経営する」(ダイヤモンド社 1500円+税)。福岡市の人口増加率は東京を抜いて1位。史上最年少で市長に就任した著者が、どのように魅力的な都市へと改革していったのかがつづられている。

 短期間ではあったが福岡の住み心地は抜群に良く、本格的に移住してみたいと思ったほどだ。空港が街から近いのも旅人的にはポイントが高い。

【連載】週間読書日記

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?