著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

毎日2000億個造られる赤血球の寿命は120日 最後はどうなる

公開日: 更新日:

 この赤血球の優れた機能は柔らかく変形できることです。自分の大きさの直径半分以下の毛細血管まで入り込み、通過することができます。まるで猫ですね。ただし、寿命は120日間ぐらいです。体をくまなく巡り、老化した赤血球はどんな運命をたどることになるでしょうか。

 まず嫌気的解糖系(酸素を必要とせず糖質を分解してエネルギーを生み出す)が衰えます。このため、変形して毛細血管までたどり着いていた赤血球の柔らかくなる能力も衰えてきます。

 そうしていよいよ老化した赤血球は脾臓や肝臓、骨髄の血管内に張り巡らされている、網内系と呼ばれる血管内腔を覆う細網細胞と付随する網目構造上の組織にとらえられます。

 そして最後は、脾臓などの「マクロファージ」(白血球の一種。死滅した細胞やその破片を除去する)によって貪食されてしまうのです。ヘム鉄から離されたグロビンは肝胆系で分離され、腸に排出されてステルコビリンとなります。大便が黄色いのはこの赤血球のなれの果てのためです。なお、細胞核を持つ「白血球」(大きさ7~25マイクロメートル)には、殺菌や免疫の働きをしているさまざまな種類の細胞があります。

「血小板」は直径2~3マイクロメートルの大きさで、血液を固まらせて止血をしますが、赤血球のように細胞核は持っていません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」