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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

チャン・グンソクが手術を回顧…甲状腺がんは穏やかなタイプでも男性は高リスク

公開日: 更新日:

 実は男性は、乳頭がんでも進行して見つかることが多いほか、別の悪性度の高い濾胞がんと未分化がんは女性に比べて男性に多い傾向があるのです。特に未分化がんは、甲状腺がんの1~2%とまれながら極めて予後が悪く、生存率は1年未満のことが珍しくありません。この未分化がんが男性優位なのです。

 韓国では、過去に乳がん検診のオプションで甲状腺がん検診が行われ、悪さをしにくい甲状腺の乳頭がんの発見が急増。それで手術が相次ぎ、過剰診断、過剰治療が社会問題になり、甲状腺がん検診は下火になった経緯があります。

 チャン・グンソクさんの「いくら甲状腺がんといっても」には、そんな韓国ならではの事情から甲状腺がんの知識が蓄積されたことがうかがえますし、共演者の「急変することもある」も同様です。穏やかな乳頭がんなども、時々、悪性度の高い未分化がんに変わることがあって、「急変」はそんな悪性転化を指していると思われます。

 これまでの報道によると、昨年5月に受けた手術は無事成功し、その後の経過観察も問題ないのは何よりです。甲状腺は全摘すると、甲状腺ホルモンが分泌されず、ホルモン剤が一生必要になりますが、「ホルモン剤不要」だそうですから、一部の切除で済み、残った組織で十分なホルモンが分泌されているということでしょう。

 もし甲状腺の異常を指摘されたら、男女とも過剰診断を防いで治療を受けることが大切です。その点は頭に入れておくべきだと思います。

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