著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がん治療情報の44%がウソ…ネット上で本物を見極める“眼力”を

公開日: 更新日:

 日本人はヘルスリテラシーが低く、国際的な調査で最低ランクです。トップ3はオランダ、アイルランド、ドイツで、日本はインドネシアやミャンマー、ベトナムより下に位置しています。その低さゆえ、誤った情報に流されやすいのです。

 ネットで検索すると、自由診療の免疫治療や健康食品をたびたび目にしますが、科学的根拠は十分ではありません。中には健康を害するものもあります。

 がん治療で病院選択に困ったら、がん診療連携拠点病院などがおすすめです。こうした拠点病院は全国に約400カ所あって、そこには「がん相談支援センター」が設置されています。医療費の相談もできますから、ぜひ活用を。

 手前みそですが、私が議長を務める厚労省の事業「がん対策推進企業アクション」は職場のがん対策が柱ですが、その中ではヘルスリテラシーの向上を目的にユーチューブ動画も配信。1本3~5分ほどですから、通勤途中にスマホで手軽に視聴できます。こちらも参考にしてほしいと思います。

 グーグルやヤフーでは怪しい情報を削除する動きもありますが、すべては削除しきれません。リテラシーの高い人は、そもそもそういうサイトに近づきませんから、皆さんも“眼力”を養ってください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性