ケアマネやソーシャルワーカーの力量が重要なのはなぜか
そのうえで、さらに「聞く力」が求められます。その患者さんにとって本当に必要とする制度やサービスはどんなものなのか。その患者さんは何を希望しているのか、家族は何を希望しているのか。それらをしっかり聞いて把握することができれば、その患者さんや家族にとって最適な施設や専門家を紹介することができます。ケアマネやソーシャルワーカーは患者さんを医学的に治療することができません。行えるのは患者さんや家族の希望を聞いて、それをできる限りかなえるために最適な施設や専門家につなぐことなのです。
「社会的処方」という言葉があります。これは患者さんの問題に、薬の処方でなく、コミュニティー(地域)とのつながりを処方して解決する方法です。つまり、良質なケアマネやソーシャルワーカーは患者さんを社会的処方で治療することができるのです。
だからこそ、勉強せずに、知識量やネットワーク量が少なく、短絡的なケアプランを作るケアマネやソーシャルワーカーでは困るのです。要望をしっかり聞いてくれたうえで、フットワークよく当てはまる制度やサービス、施設や専門家につないでくれるケアマネやソーシャルワーカーの存在が患者さんの回復と生活にとって重要なのです。