著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

猛暑と心臓死…血液の拍出量が2倍以上になることもある

公開日: 更新日:

 反対に、寒いときは皮膚の血流を抑えて熱が逃げないようにします。

 暑いときには心臓は皮膚に流す血液の増加分で、より多くの仕事を余儀なくされます。自動車もエアコンを効かせすぎるとエンジンに負担がかかるのと同じです。

 普段ですと1分間で3リットル程度の心臓からの血液の拍出が、2倍以上になることもあります。それだけ心臓が多くの仕事をしなければならない状態に陥るのです。

 脈拍も140以上に上昇し、心臓のパワーに余裕のない人では血圧が保てなくなり、そのまま心臓がぶるぶる震える「心室細動」が起こり、死亡してしまいます。

 こういったふうに心臓がアップアップで最悪の事態に陥るその前に前段階として「心房細動」が必ずあると私は考えています。

 まあ、暑すぎても寒すぎても人間の体は負担を感じます。当たり前です。しかし、気温が上がったからといって、誰もが指をくわえて「なんだか暑いわねぇ……」などとうちわでパタパタあおいでいるだけでしょうか?

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