医療従事者はプロレタリアート…医師の労働も時間で売り買いされる時代
「それもふくめて、仕事がキツイわりに賃金が少ないのが不満なんでしょ」
病院で昭和時代の老齢医療スタッフが集まると、いつもこんな話です。
報道によると、この国のどこかでは労働者の賃金は上がっているらしいのですが、私の周りで「給料が増えました!」などという人は見たことがありません!
読者の皆さんは「それは病院だけじゃないよ、どこの業界も同じだよ」とお怒りのことでしょう。
フランスに予言がよくアタるので有名な賢人、ジャック・アタリという人がむかし「予言」したところによると、「近い将来、医者も含めた医療従事者はプロレタリアートと化す」とのことです。
プロレタリアートとは自由な労働者のことです。この「自由な」というのは経営者が「いつでも」「どこでも」「どんな仕事でも」、自由にこき使える、という意味の「自由」です。自由な労働者は搾取され放題です。
搾取とは、労働の対価の大半を経営者が権力で圧倒して奪いとる、という行為です。経営側から見た医者のコストも時給制になりつつあります。医者の労働が時間で売り買いされる時代になったのです。