(3)水“だけ”摂取は危険…水中毒を起こす危険がある
「1日にどれくらい飲めばいいですか?」もよく受ける質問です。医師が点滴の量を計画する際に使う算出法を使えば正確な量を出せますが、特に大汗をかくことなく普通に生活をしている場合、標準体重の人でだいたい1~1.5リットルくらいと考えるといいでしょう。大事なのは、これは1日3食の食事を取った上での水分補給量だということです。
水分補給の基本は食事から──。これは私が特に強調したい点です。成人の1食あたりの食事には400~600ミリリットルの水分が含まれているのに加え、食べた栄養素が体内で分解されてエネルギーに変わる過程でつくられる水分(代謝水)も得られます。食事には栄養素やエネルギーが含まれているので水分だけを取るより体に良く、飲料で取るよりもゆっくり吸収され、体に残りやすい。
同じ量の水分を取るにしても、食事+水分補給か、水分補給だけかでは大きく異なります。食事の回数が少なく水だけで水分補給をしようとすると、水分の取り過ぎによるむくみや水中毒を起こす恐れがあります。水中毒は、血液中の塩分が薄まり意識障害や全身痙攣が起こる大変危険な状態です。あすは、よくある水分補給の誤解を紹介しましょう。 =つづく
▽谷口英喜医師・済生会横浜市東部病院患者支援センター長 水分補給の専門家。近著に「いのちを守る 飲水学」(評言社)。



















