俳優の山﨑努さんは食道がん克服して舞台あいさつに…高齢でも積極的な治療選択がうまくいくケース
当時の病状に加え、年齢を考えると、化学放射線療法ではなく、単独の抗がん剤が選択されるケースも少なくないでしょう。というのも、化学放射線療法だと、完治の可能性がある一方、照射部位の炎症で一時的にのみ下しがかなりつらくなるためです。
東大医学部時代の私の恩師・養老孟司も2年前に小細胞肺がんと診断されました。先生は医学の知識もありますから、一時は積極的な治療をせずに痛みやつらい症状のみを和らげる緩和ケアだけにしようと考えたときもあったそうですが、私や家族の勧めもあって、抗がん剤や放射線の治療を受け、今もライフワークの虫の研究を続けられています。その後、見つかった反対側の再発は、免疫チェックポイント阻害剤で治療されました。
小細胞肺がんは進行が速く、養老先生がもしあの時緩和ケアにとどめていたら、研究の継続は難しかったのではないでしょうか。山﨑さんも同じように思います。
医師側は、高齢の患者に対して緩和ケアをはじめなるべく負担の軽い治療に誘導することもありますが、それが必ずしもよい方向に結びつくとは限りません。このことは頭の片隅にとどめておくことをお勧めします。



















