神野大地2度目のケニア合宿へ 五輪目指す元“山の神”を直撃

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 ――前回のケニア合宿ではどんな練習をしていたのですか。

「最初は環境に慣れるための自由参加の練習。3週間目からゼーン・ロバートソン(29)というニュージーランドの名選手(同国ハーフマラソン記録保持者=15年丸亀ハーフの59分47秒)が指揮するグループの練習メニューをこなしました。中でもきつかったのは、リオ五輪金メダルのエリウド・キプチョゲ(34=18年ベルリンの2時間1分39秒は世界記録)が今でも走っている『キプチョゲ・コース』の40キロ走。粘土質の赤土と砂利道はアップダウンばかり。悪路は地面をしっかり自分の足でとらえないと前へ進まない。しかも、スタートは標高2300メートルでゴールは標高2800メートル。高地なので呼吸もかなり苦しくなります。キプチョゲ・コースをトップでゴールする者は2時間25分ぐらい。とにかくこの練習が一番きつかったです」

■テレビ観戦はイヤ

 ――ケニアに向かい、再びその練習を行うわけですね。

「2月下旬ごろまでには帰国し、東京マラソン(3月3日)に出場する予定です。そこでMGC(マラソングランドチャンピオンシップ=今年9月15日)の切符を取りたい。今はまだ大迫(傑=27)さんや設楽(悠太=27)さんとは差があるなと感じます。2時間5~6分を狙える力は正直ないと思う。でも、日本で開催される五輪はテレビで見るもんじゃない。代表になれるまで最後まで挑戦し続けます。4度のマラソンではここまで結果が出ていない。マラソンという競技は難しいと感じています。でも、今は東京五輪の先までやるつもりです。プロ野球選手は大金が稼げる。あそこまでいくのには時間がかかったと思います。僕は陸上選手も稼げる競技にしたい。僕の下の世代が陸上で食べていける道を一本つくりたい。その路線を敷けば、箱根駅伝に出る選手のモチベーションアップのひとつになるはずです」

 (聞き手=塙雄一/日刊ゲンダイ

▽かみの だいち 1993年9月13日、愛知県津島市生まれ。セルソース所属。中学から本格的に陸上を始め、中京大中京高から青山学院大学に進学。大学3年生の時に箱根駅伝往路5区で区間新記録を樹立。「3代目山の神」として駅伝ファンに親しまれる。卒業後は実業団に進み、17年12月の福岡国際マラソンでフルマラソン初挑戦。18年5月にプロ転向。マラソン記録は18年東京の2時間10分18秒。165センチ、46キロ。 

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