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梅原敦プロキャディー

1974年4月生まれ。京都府向日市出身。98年「つるやオープン」から藤田寛之とコンビを組み、15年間専属キャディーとして14勝を挙げ、2012年賞金王、海外メジャーも経験。14年からフリーになり、森田理香子、一ノ瀬優希、成田美寿々、李知姫、塚田陽亮プロとのコンビでも優勝。22年は菅沼菜々のバッグも担ぐ。キャディーとして通算22勝。軽自動車のキャンピングカーで男女ツアーを転戦中。NSインターナショナル所属。

契約選手が体調不良の時、キャディーはどうするべきか。判断はとても難しいけど…

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 その日はスタート前の練習時からすごく痛そうで、打つたびに顔をしかめている。それでも「痛い」とは一言もいわない。10番からスタートしたんですが、フェアウエーを歩くときも脇腹をかばうため歩幅が狭く、とても18ホールはプレーできそうにない。僕には痛さの程度はわかりませんが、2ホール目に「もうやめよう」と言って、棄権してもらいました。改めて病院に行ってレントゲンを撮ったら、やっぱり肋骨が2本折れていたそうです。藤野さんは、その後2カ月もツアーから離れました。

 最近、改めて当時のことを聞いたとき「梅原さんに言われてやめたけど、頑張って続けていても80切れなかったと思う。疲労骨折は痛み止め飲んで、コルセットをしてたらなんとかプレーできるけど、あの時の痛みはそんなもんではなかったです」と言って笑っていました。

 この試合は公式戦ですから、みんなタイトルが欲しい。今年も藤田さいきさんが同じ大会で、体調不良と熱中症でスコアを落としながら申ジエさんとのプレーオフとなり、敗れた直後に力尽きて病院へ救急搬送されました。「公式戦でなければ棄権していた」とコメントしていました。

 選手の表情を一番近くで見ているのはキャディーです。体調不良でも無理してプレーを続けたい選手に棄権を促すか、否かの判断はとても難しいです。でも、この試合を最後に引退するわけではありません。最後は選手自身が決めることですが、僕は「先」を考えてなるべくリタイアを勧めます。

【連載】プロキャディー25年 梅ちゃんのツアー漫遊記

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