認知症だと思っていたら肝性脳症 その症状と検査法を知る

公開日: 更新日:

 いずれも定期的に健康診断などで肝機能のチェックをしていれば分かる疾患だが、「分かっていたが無症状なので放置していた」「そもそも知らなかった」という人も珍しくない。認知症を疑う症状があり、肝機能の状態を把握していないなら、検査を受けるべき。

 肝性脳症が判明すれば、認知症と違い、薬でコントロールできる。筋肉でのアンモニア代謝を促すBCAA(分岐鎖アミノ酸)、または腸管の中でアンモニアの産生を抑える合成二糖類、または腸管内のアンモニアの産生を抑える難吸収性の抗菌薬だ。難吸収性は、肝硬変の診療ガイドラインの中の「肝性脳症を改善するか」というクリニカルクエスチョン(臨床的課題)に対し、最も高いエビデンスレベルAに位置付けられている。

「“難吸収性”は昨年11月に『リファキシミン』という薬が海外に30年遅れで保険適用になりました。『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された文献で、肝性脳症の再発を抑制することが明らかになり、生命予後の改善も別の文献で報告されています」

 再発抑制に関しては、投与開始後168日でリファキシミン服用群は約8割が再発していなかったが、プラセボ群では6割を下回った。5年間の生存率では、リファキシミンは約60%で、対称群は20%より下だった。なお、リファキシミンの薬価は1錠200ミリグラム201.9円。1回400ミリグラムを1日3回服用だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変