臭いが消える一因は鼻の中の「気流」にあり 国際誌に論文掲載

公開日: 更新日:

「そこで、私はこれを解明して鼻の手術に応用しようと決意。CT画像からコンピューター上に立体モデルを作り、鼻の中の空気の流れを東大宇宙航空研(JAXAの前身)と関わりの深い『計算流体力学研究所』に計算してもらうため、資金を投入してソフトを共同開発したのです。その後、それを実用化するための科学技術計算用コンピューターも院内に設置しました」

 今回の研究は、今後どう発展するのか?

「私は、手術前に、どこにどうメスを入れると手術後に鼻の中の空気の流れがどう変わるか、流体力学に基づいたシミュレーションをすることが望ましいと考えています。そのことに力を注ぎつつ、流体力学に基づいた睡眠時無呼吸症候群の治療や認知症の予防などの研究を続けるつもりです」

 02年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏は「異分野融合の場を生かせば、天才でなくてもイノベーションや独創を生み出すことができる」という趣旨の話をしている。流体力学を医学に持ち込んだ浅間院長の今後に期待したい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変