著者のコラム一覧
西内義雄医療・保健ジャーナリスト

医療・保健ジャーナリスト。強みは各地に顔見知りの保健師がいること。両親&義両親の介護・看取りを経験。

配食サービスはもろ刃の剣? 頼りきる前に考えるべきこと

公開日: 更新日:

 正直な話、最初はその意見にカチンときた。何とか続けてみないか説得しても拒絶された。自分で買い物や料理がほとんどできないでしょ? と意見しても頑固に「何とかする」と言い張った。仕方なくその後しばらく好きなようにさせると、季節の野菜で煮物や味噌汁くらいは作り、たまに買い物に行くとスーパーの総菜コーナーでコロッケや唐揚げなどを買ってきていた。

 それじゃ弁当の中身と変わらないじゃないかと突っ込みたくなったが、後日、筆者も試しにコンビニ弁当を続けて食べてみたところ、確かにすぐ飽きた。昼ならともかく、夕食まで弁当が続くとうんざりすることに気づいた。

 しかも、親たちはこれを孤食。つまりひとりで食べているわけで、食事中の会話もない。嫌がるのも無理はないと悟ることができた。この話を同世代の友人たちにすると、実はウチも……、とうなずかれる確率が高かった。結論として出てきたのは、自分で何とか買い物や料理ができるうちは、毎日配食サービスを頼むことは避け、せいぜい週に2回程度に抑えること。実家に行くことができる日は、できるだけ一緒に食事をする機会を増やし、家族だんらんの象徴でもある食卓を賑やかにすることだった。その際、無理に食卓を豪華にする必要はない。たとえ買ってきた弁当でも一緒に食べてくれる人がいると、親たちの食欲はいつもよりずっと旺盛だったからだ。

 あくまで筆者の身の回りの話ではあるが、これから配食サービスを導入しようと考えている方は「そういう話がある」くらいの記憶にとどめてもらえれば幸いだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった