男性不妊の背景には、実は“がん”や糖尿病、甲状腺疾患、遺伝性疾患が隠れていることも
■不妊の原因には全身疾患が隠れている可能性がある
つまり“不妊”という症状の背後には、全身の疾患が潜んでいる可能性があるのだ。実は、不妊は「子どもができない」という悩みにとどまらず、体が発する警告サインの場合がある。
泌尿器科や生殖医療の専門医は、精液検査だけでなく、ホルモン値やエコー、MRIなどの画像検査を通じて、全身の健康状態を把握するが、ある医師は「不妊治療は妊娠のためだけでなく、命を守る医療でもある」と語る。妊活をきっかけに病気が早期発見されるのは偶然のように見えて、実は専門的な検査が命を守っている必然の結果でもある。
不妊外来は、子どもを授かるための入り口であると同時に、未来の健康を支える入り口でもあるのだ。(おわり)
◇ ◇ ◇
男性不妊症の診療中に精巣腫瘍などを発見することがあるが泌尿器科での治療が必要だ。●関連記事【こちらも読む】男性不妊の検査は産婦人科ではなく泌尿器科でしかできない理由…に詳しい。