著者のコラム一覧
高橋邦尚ゆとりが丘クリニック 院長

1952年岩手県生まれ。岩手医科大卒業後、県立磐井病院、岩手医科大病院、都立駒込病院に勤務。米国のジョンズ・ホプキンズ大に留学。岩手県立中央病院放射線科医長を経て、1999年に岩手県滝沢市に「ゆとりが丘クリニック」を開院した。

(1)「とりあえずの医者」は町医者にとって最高の褒め言葉

公開日: 更新日:

 鉄砲撃ちのじいさんの話を書いた。90近いのに至って元気で、時々、鹿だの熊だのイノシシだのとマジックで書かれた真空パックの干物をくれる。私を喜ばそうとしているのか、時々おもしろいことを言う。

「他人のへは臭くて腹が立つべど、自分のは気にならねべ。これをもって“不公平(へい)”という」

「この間、山の沢口で熊にあってしまったけんど、俺はじっと野郎の目を見たままにらみ合いになったわけよ。んだどもここで弱みを見せるわけにはいがねえ。ジリッジリッと俺からにじりよったら、野郎も少しずつ後ずさりして、しまいにゃ逃げて行った」

 まあ、話半分だろう。そのじいさんが長い間胃痛を訴え、私は繰り返し内視鏡検査を勧めたが、かたくなに拒んだ挙げ句、数年後に末期の胃がんになった。家族に連絡を取ると、東京や仙台に住む立派な肩書の息子3人が来て、東京のがんセンターに連れていきたいとか、仙台の大学病院へ紹介状を書いてくれとか、手厚い医療を希望した。すると、布団に横たわったじいさんが息子を見渡し、私を指さすと、驚くほど大きな声でこう言った。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る