45歳で始まった胸やけ、50歳で軽くなったけど…放置すると危険な食道がんのリスク
逆流性食道炎を疑うサインとしては、3つの症状が挙げられます。一つ目は、「げっぷや酸っぱい液の逆流が週2回以上」あること、二つ目は「夜間の咳・喉の違和感で目が覚める」こと、3つ目は「飲み込み時につかえる感じ」があることです。
ご家庭でできる5つの対策は、①就寝3時間前以降は飲食しない、特に大食い・脂っこいもの・炭酸を避ける ②食事が遅い日は枕やベッドヘッドを10〜15 cm高くし上半身を傾ける ③アルコールや喫煙は食道の出口が緩くなるので控える ④肥満は腹圧が上がって胃酸が押し上げられるのでダイエットをする ⑤市販の胃薬を2週間試し、改善が乏しければ消化器内科へ受診することです。
食道がんは早期に見つかれば内視鏡治療で済みますが、進行すると大きな手術や放射線化学療法が必要になり生活の質が著しく下がります。胸やけが軽くなってもげっぷや咳が続き、市販薬でも改善しない場合は、身体が発している警告信号かもしれません。50代を迎える前に一度内視鏡検査を受けてみましょう。
▽近藤崇弘=日本健康経営専門医機構理事 株式会社ALAN 代表取締役。医師・研究者・起業家であり、 睡眠・神経領域でAI医療機器開発を推進している。また、慶應義塾大学医学部にて難病疾患の治療法を研究中。