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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

石橋貴明さんは激やせ…抗がん剤治療の継続には筋肉量の維持が重要

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 食道がん手術では、食道のほとんどと胃の一部を切除し、リンパ節を含む周辺組織も切除します。残った胃を持ち上げて、残った食道につなげる大がかりなものです。胃の全摘では、術後にかなりやせますが、それと同様に食道がんでも食事量が減り、やせることがよくあります。

 食道がんの方は、5~15%の頻度で咽頭がんも併発します。どちらも細胞は扁平上皮です。医学的に別の臓器でも、細胞レベルでは一体的と考えられますが、咽頭がんの切除も加わると、体への負担はさらに大きくなります。

 こうしたことから、がんの手術後は効率的な栄養摂取とともに筋トレで筋肉量を維持することが大切です。早期の食道がんを手術で克服した桑田佳祐さん(69)は体重減少が少なかったようで、2010年8月の手術を終えると、年末のNHK紅白歌合戦に出演され、早期復帰で変わらぬ姿を見せていました。

 一方、食道がんや咽頭がんは、抗がん剤と放射線を組み合わせた化学放射線療法で治療することもできます。これなら食道も咽頭も胃も温存できるのが一番のメリット。放射線の影響で粘膜に炎症が生じ、のみ込みにくさがありますが、それも一時的です。炎症が治まれば、普通に食事ができます。

 女優の秋野暢子さん(68)は化学放射線療法での治療後、この副作用に悩んでいました。しかしいまは回復。元通りに食事できることをブログなどで報告されています。機能を温存できる治療法があることは覚えておいて損はありません。

【連載】Dr.中川 がんサバイバーの知恵

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