「がん」「アレルギー」「不妊」の急増は人類長寿化の裏返しか

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「そもそも生物学的進化とは、世代を重ねることで生物集団の遺伝的性質が環境に合わせて変化する現象を言います。その意味ではこの100年間でそれが行われた明白な事実はありません。20世紀の寿命延長革命を可能にしたのは、人類が環境をさまざまな点で進化させることのできる生物だった結果です」

 では、この間、長寿に向けた生物学的な進化、つまり形質上の変化はまったくなかったのだろうか?

 何かを得るために別の何かを犠牲にする関係をトレードオフと呼ぶ。進化におけるトレードオフとは、生物がある形質を得るために別の形質を犠牲にすることだ。例えば、大空を飛び回るために翼を得た鳥は代わりに四足歩行動物の前足部分を失い、歩行が不自由になった。暗い場所に生息する微生物は光合成の能力を失う代わりに呼吸能力が高まったなどだ。

 人類もトレードオフを繰り返している。例えば、人類の二足歩行と体の大型化は寿命延長に大きな役割を果たしたが、二足歩行は脳の発達や巨大化をもたらし、言語や知恵を得ただけでなく、遠くまで視界が開けることで早く獲物を見つけたり平原を遠くまで移動できることで食料確保が容易になったり手を使えるようになった。体の大型化は外敵の威嚇、同種同士の争いで優位に立つことに役立った。

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