「認知症と共存する暮らし」とはどのようなものなのか
簡単に言うと、要介護申請して、生活を続けるための介護保険サービスなどを利用して、「かかわり方」と「生活環境」を調整してもらうのです。専門家がこの2つを整えることで、認知症患者さんの精神状態と生活リズムが整います。
しかし、あまりに精神症状が強く、他人への迷惑行為が多い時は、医師による薬剤治療が必要です。「かわいい認知症」になるように薬剤を調整してもらうのです。すると、介護者の負担が軽減し、介護を継続できるようになります。この内服調整が認知症専門医の真の腕なのです。「かわいい認知症」に治療してもらえない時は、担当の認知症専門医を変更するのがいいでしょう。そうでないと、介護生活が継続できません。
私たちが全国的に進めている健康医療福祉都市構想は、社会参加と社会貢献の機会を増やすことにより認知症を予防する大規模な街づくりですが、愛媛大学医学部の空手部の後輩である山内勇人先生は、大分県佐伯市で生活に困る精神障害や認知症の方が健やかに暮らせる在宅支援の地域体制をごちゃまぜの環境で構築しています。どこの地域でもまねができるために、ごちゃまぜにしたのです。この山内先生の佐伯市での取り組みは、2024年にNHKの第8回「認知症とともに生きるまち大賞」を受賞しました。


















